小堀鐸二研究所

国際交流

海外の実務者・研究者との共同研究を通じて、海外の最先端の技術や研究動向を把握するとともに、幾多の地震を受けて改善が進められ大地震での検証を重ねてきた耐震設計方法や、制震免震技術など、日本が有する優れた技術の海外への発信を積極的に進めています。

第17回世界地震工学会議(17WCEE)への参加

WCE写真
会場の様子(上写真)と 閉会式で挨拶する中島社長(下写真)
[第17回世界地震工学会議(仙台市)]

世界地震工学会議(WCEE:The World Conference on Earthquake Engineering)は、1956年に開催された第1回以来、4年毎に開催される地震工学に関する最大規模の国際会議です。世界各国から研究者・実務者が参加し、世界的権威による基調講演や最先端の研究成果の発表がなされるほか、活発な情報交換が行われています。

17WCEEはCOVID-19の影響により当初より開催が1年延期され、2021/9/27~10/2に仙台国際センターでの発表とオンライン配信を併用したハイブリッド形式で開催されました。期間中、現地には延べ約300名が参加し、オンラインは延べ約7,000名が参加しました。当社からは9名が参加し、地震動評価、地下構造、地震応答、制震構造、非構造部材、地震防災に関する研究成果を発表しました。

また、当社社長の中島は国際地震工学会(IAEE)の会長を兼務しており、18WCEEの開催国決定などの支援に携わりました。


日米の耐震性能設計手法を適用した超高層建築物の比較

図
日米超高層建築物の比較 (設計用入力地震動を共通)

日本は世界でも有数の「地震国」であり、これまで多数の大地震により被害を受けてきました。そのたびに建築基準が少しずつ改訂されましたが、日本の超高層建築物に適用される耐震性能設計の枠組みと地震荷重の設定方法は、過去20年大きな変更はありません。一方、世界に目を向けると、米国では過去20年余にわたり耐震性能設計手法の開発が続けられ、建物の使用継続性や崩壊に対する安全度を直接的に取り入れています。この設計手法はアジア諸国をはじめ多くの国々においてグローバルスタンダードとして採用されています。


当社は、米国カリフォルニアの実務者・研究者で構成されるメンバーと、日米の性能設計手法を比較する共同研究を実施しました。建物の設計制約条件として設計外力の大きさ、用途や平面を共通として日米それぞれの設計手順・慣行に従い構造設計・解析を行って、耐震システムや耐震性能、建設コスト・工期等について多面的に比較しました。今後は米国式性能設計手法と親和性の高い、リスク評価手法を取り込んだ建物の総合的な耐震性能評価手法を構築していきます。


海外の若手構造技術者との交流

NZ

当社では若手構造技術者を海外の構造設計事務所や大学等の研究機関から招聘し、各種建築構造の設計手法や耐震安全性の比較、海外の先進的な知見を取り入れたリスク評価などをテーマとした共同研究を実施しています。

例えば、ニュージーランドの構造設計事務所から若手構造技術者を招き、9階建の鉄骨造建物について日本式、ニュージーランド式の両方で耐震設計と時刻歴応答解析による耐震性能評価を行いました。このように、海外の構造技術者との共同研究により、海外の最新の技術・知見を取り入れるとともに、当社の取り組みや保有技術を海外の若手技術者へ展開しています。


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