小堀鐸二研究所

地震リスク評価

東日本大震災以降の地震リスクに対する関心はさらに高まり、地震リスクの評価が注目されています。地震直後の被害推定から、復旧に関する費用の評価に至る開発研究を通じて、より高度で実用的なリスク評価を提供しています。
また、リスク評価手法の共同研究を海外機関と実施し、より多様なリスクに対応できるように研究を重ねています。


地震ハザード評価 起こり得る全ての地震原因を対象に、その発生の可能性を確率的に考慮して、敷地や地域の地震危険度を評価します。ハザードマップとして地図にまとめることが可能です。
これまで蓄積してきた知見に基づいて、地震の発生および各地点の揺れの予測に含まれる重要な不確定性を評価しています。
被害予測の
整理
被害推定の精度向上のため各種データを利用して、建物の被害と構造種別(木造、鉄骨造、RC造)、年代別、地域別などの相関分析に努めています。
グローバルな
地震リスク評価
地震災害リスク評価とリスクコミュニケーションの高度化について、建築構造の視点からリスク研究先進国である海外の専門家と共同研究を実施しています。

戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)関連業務

事例計算の一例
東日本大震災における東北地方の沿岸部を除く
市町村別の全壊棟数の推定誤差を更新した事例計算の一例

科学技術イノベーションを実現するために政府が創設したプログラムであるSIPの課題のひとつ「災害情報収集システムのリアルタイム被害推定システムの研究開発」では、平成26年度から30年度までプロジェクト全期間の5年間にわたり、内閣府から研究を委託された防災科学技術研究所経由で、その業務を分担しました。

計測震度などの揺れの強さに基づく建物被害棟数の推定に、現地の被害画像や、一部の限られた地域で確認した被害棟数など、実際の被害の情報を反映して更新する手法を、「ベイズ推定」という統計手法を応用して開発しています。この手法は、被災地全体の被害状況の迅速かつ精度良い把握を目指したものです。さらに、各種研究機関との連携を強め、防災分野における最先端の技術開発に努めています。


公募型研究開発課題の採択

官民研究開発投資拡大プログラム(PRISM)の枠組みに基づく研究課題「官民データ連携による応急対応促進~地震分布の詳細化による早期復旧技術の開発~」のなかで、防災科学技術研究所が受けた研究課題の一部を担当しました。この研究では、建物地震観測記録と首都圏地震観測網(MeSO-net)の観測記録を比較することで、建物に入力される地震動を推定する手法を開発しています。
また、科学技術振興機構による未来社会創造事業公募テーマ「ひとりひとりに届く危機対応ナビゲーターの構築」における研究課題が採択されました。本研究では、大災害時の危機対応において現場の一人一人が適切に行動できるよう支援するシステムやアプリケーションの開発を目指した探索研究を行っています。

 PRISM 官民データ連携による応急対応促進 保守/点検員の派遣 [株式会社 小堀鐸二研究所] プロジェクト概要
 未来社会創造事業 ひとりひとりに届く危機対応ナビゲーターの構築(要素技術タイプ) プロジェクト概要